アーティストプロフィールの書き方


まだまだ続きますTOKYO BOOT UP カンファレンスの内容公開。メルマガだけの限定公開でしたが評判が良かったので公開します。

今日は

アーティストプロフィールの書き方

です。インターネットなどの音楽SNSに登録するようになるとプロフィールを書く機会が増えます。そういう場合の書き方についてです。

ずばり、「ほとんどのインディーズアーティストのプロフィールは意味不明」ということでした。

なんとなくそれらしく書きたいことだけ書いてしまっている。

何が特徴的なのか、どこがほかと違うのかまるでわからない。

とくに

「独自の世界観で聴くものを〜」

「ボーカル〇〇の紡ぐ繊細な歌詞とギター〇〇の奏でる〜な〜で唯一無二のグルーヴを〜」

「キャッチーなメロにメランコリックなリリックで誰もの心をゆさぶる〜」

など、どこかで聞いたような自己紹介文(w)ほんとうによく見ますよね。

こういう紋切り型の文章でプロフィール欄を水増しする紹介文は、はっきりいって・・・

いらない、そうです。

それに、「誰もの心をゆさぶる〜」とか「唯一無二のグルーブを〜」とかは自分で書くことではないです。あたかも客観的な評価を紹介しているようにみえますが、

「それ、誰が言ってるの?」ときかれたら、たいていは答えられません。

「おれ」とか言っても、リスナーにとっては「しらん」です。

「独自の世界観」とか「唯一無二のグルーブ」なんてのも曖昧でよくわからないです。

「誰もの心をゆさぶる」こういう系なんて完全にウソです。とりあえず書いただけしょう。

こういう、はっきりしないのはやめましょうよ、ってことですね。

もしかしたら、こういう書き方をしている人もいるかもしれないので、具体的にはどのように書けばいいのか、ポイントをまとめておきます。

・100-150字以内で書く

これくらい短い方がいいです。
・具体的に書く
プロフィールをみただけでそのバンドだとわかるくらい具体的にします。プロフィールクイズをしたときに必ずわかるようにします。

・コンセプトを明確にする
バンドが作品をつくるからには何かテーマがあるわけで、何がやりたいのか、どういう世界を描こうとしているのかをはっきり伝える必要があります。
「ロック」「愛」「絶望」「鬱」とかいうジャンルだけでは広すぎるので、できるだけ具体的に言います。何がしたいのか。
ジェイク・シマブクロさんなんかわかりやすいですよね。「ウクレレだけ」でやるっていうはっきりしたコンセプトがあります。

・できるだけ正確に書く
これは細かい問題ですが、生年月日や名前の表記をいい加減にはしない方がいいです。できるだけ統一して、どのメディアで書く場合も同じにする。
あるところでは実名とか、あるところでは別名とか、名前と名字の片方だけ、ひらがなか漢字かカタカナか、ニックネームか、などなどいろいろばらけていると、
周りの人が混乱します。とくに、データベースを作成する人や事務系の人からは殺したいくらい恨まれます。検索でヒットしなかったり、同性同名のヤツが多すぎて見つけられなかったり、
面倒なことがいろいろ起きるからです。

重要なポイントは以上です。

プロフィールはアーティストにとってのプレゼンみたいなものなので、きちんと認識されたい、承認されたいと思うならしっかり作ったほうがいいですよ。
ビジネス用語でエレベータピッチという言葉がありますが、あれみたいに短い時間で何をしているのかはっきり伝え、興味をひくようなプロフィールをつくった方がいいです。

「理解されなくてもいい」「わけわかんなくてもいい」「わかりやすく伝えるとか野暮」「ミステリアスな方が魅力的」という人は別ですが・・・曖昧なプロフィールがアート性を高めるなどということは決してないので、

そこだけは注意してくださいね。完全に無視される覚悟がない限り、それはしない方がいいです。

わたしたちが世に自分を発信しはじめたとき、最初にくる反応は、応援でも賞賛でも、バッシングでも批判でも侮蔑でもありません。

ただ圧倒的な「無視」です。誰からも相手にされない。これは私自身体感しています。どれだけ呼びかけてもひたすら無視。

わたしは半年間ほとんど毎日、Facebookやメルマガを通じて、とにかく叫び続けて、いまようやくかろうじて認知されるようになりました。Facebook文豪なんて呼ばれることもあります。

存在を認知されない限り、生きてはいないのと同じなのです。だからわたしはこうして情報発信をし続けている。それは、自分の人生を定義しなおすために必要なことなのです。

他人に仕掛けられた虚構の人生を取り戻すために必須の戦いなのです。

本当に伝えたいことがあるなら、プロフィールははっきり書きましょう。

さいあく、長くても情熱がこもってればいいと思います。おもしろくてわかりやすければ読む人はいます。

ほかの人とにたようなプロフィールでは、無視され続けます。

いまいちど自分と向き合って、プロフィールを書いてみてください。


現代ミュージシャンが絶対に知っておくべきこと


2013年11月、TOKYO BOOTUP Conference Day というイベントに行ってきました。

音楽活動の在り方を議論する、様々なコンセプトの合同セミナーでした。会場が3つあって、1時間単位でいろいろな内容をやっているから、好きなところを選んでみる、出入りは自由、というおまつりみたいなやり方でしたが、内容は濃かったです。

わたしがみたトピックは、
1. JASRAC独禁法違反訴訟の東京高裁判決が意味するもの
2.インディーズアーティストの起業と融資について
3.コンテンツとしての音楽の未来、サービスモデル
4.ミュージックディスカバリーという概念について
5.じぶんの音楽を売る方法
6.アーティストのプロフィールの書き方(意味不明なの大すぎ)
7.地方で活躍する音楽家たち。Global+Local=Glocalの音楽の在り方
8.ミュージシャンの海外進出について
9.無名だけど音楽で生計をたてている人たちの話

すべて、今の時代音楽活動していくには絶対に知っておかねばならない、貴重な話でした。

ただ、講師の方も嘆いていましたが、「会場にミュージシャンやアーティストの方はいらっしゃいますか?」ときいたところ、

ほとんどいなかった。きていたのは、音楽ライターとか事業として音楽を扱っているビジネスマンとかがほとんどで、

いちばん話を聞いてほしいはずのミュージシャンがぜんぜんいなかった。

TOKYO BOOTUPというのは、インディーズアーティストに向けた情報開示をしている団体なのに、肝心のミュージシャンがこないというのは、残念だな、と・・・
このあたり、イベント主催側とミュージシャン側では大きな意識の差があるのを感じましたね。

「あー、やっぱりそうなんですね・・・残念ですけど、ミュージシャンってこういう場にこないんですよ。ぼくもFacebookとかで告知していて、
彼らに場所も日時も目に入るようにしていて、大事な情報があるよってことは提示しているんですけど、それでもこないんですよ・・・めんどくさいんでしょうね。」

と講師の方がぼやいていました。

いくら良心的に情報を公開しようとする人がいても、肝心の知る側が閉じこもっていたら、どうしようもないですね。

これは、音楽関係だけではないと思いますが、このカテゴリでは特に顕著ですね。

「ビジネス系のことだろ?関係ねーし」とかいうばりばりアーティストみたいな人たちの声が想像できますが・・・

それでいいんでしょうか。知らないままで搾取されているままで、いいんでしょうか。もっとできること、いろいろあるのに・・・

一般的にいっても、「TPPは危険だ!多国籍企業による国家のっとりだ!」「自民党の憲法改正草案は民主主義を徹底的に破壊する、天皇を人質にとった官僚のクーデターだ!」

と危険性を叫ぶ人がいても「は?大げさだろ。関係ねーし」といって無視することが多い。これと同じ関係が、こんなところでも起きているのだな、

と実感しました。

ちゃんと考えているミュージシャンの人は、数人しかきていないよ・・・という感じでしたね。

知ろうとしない人たちは、結局とりかえしのつかない状況になってから、「ふざけんなコノヤロ」といって無責任におこりだす。

知ろうとしないのもいけないです。その姿勢はかなり問題です。

だます側は容赦しないのですから、こちらも情報という武器をもって戦わないと、人権なんてあったもんじゃないですからね。

彼らは容赦なく、若者、個人、文化人、新しいことをはじめようとする人たちを殺しにかかります。それを感じずにのほほんと過ごしていては、やばいです。ほんとに、このままじゃ悲惨なことになります。

と、前置きが長くなってしまいました。

ひとつずつ出していきます。