憂鬱と官能を教えた学校【バークリーメソッドによって俯瞰される20世紀商業音楽史】


憂鬱と官能を教えた学校【バークリーメソッドによって俯瞰される20世紀商業音楽史】音楽屋さんのしごとクリエイト【おとやサロン】

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憂鬱と官能を教えた学校

【バークリーメソッドによって俯瞰される20世紀商業音楽史】

名著ですね。

菊地成孔さんと大谷能夫さんが2002年に東京大学で行った商業音楽史講義を書籍化したものです。

これは純粋に面白い本です。専門的な内容ですので勉強に使えるのは間違いないですが、単に知的な楽しみとして読んでもおもしろい。

上下巻分かれています。上巻では副題の通り「調律、調性および旋律・和声」の観点から、音楽文化の歴史をとてもハイスピードに概説していきます。

おもしろい本ですが、かなり専門的な内容や難解なトピックにまで踏み込んでいるので、一度で理解できなくてかまいません。何度も繰り返し味わうタイプの本です。

学習しながら定期的に読み返すと、その度に新しい発見があってよいでしょう。

とはいえ、かなり読み応えのある本なので、いきなり準備なしに読むのは少しハードルが高いかもしれません。

ですので、重要な部分だけ、すごくかんたんにまとめて、ブログで紹介していこうかと思います。

ちなみに、本の中で菊地さんの生徒(受講者?)であった英文学者飯野友幸さんという方がちらっと出てきます。

この方はブルースなどの黒人音楽が英文学に与えた影響などを研究していて、音楽関連の本も書いているんです。

わたしは大学で先生の授業を受けていました。その頃は菊地さんとの関係は知りませんでしたが。

黒人音楽と20世紀ビートニクス文学(ジャック・ケルアックなど)が密接に関係していることなどをやってました。おもしろかった。

ついでに、菊地さんが出入りしていたというそこの大学の音楽室ですが、そこにわたしもある時期いました。

そんなこともあって、愛着のある本です。ぜひ読んでみましょう。世界が一気にひろがります。